あなたの願いを叶えましょう
「いかがでしょうか?富樫さん」

工藤さんに名前を呼ばれてハッと我に返る。

「今回東亜さんのみで運営されると伺ったのですが、協賛を募る、というのはいかがでしょうか」

「協賛…ですか?」

「はい。最近ではヨガウェアに力を入れてるアパレルメーカーが増えてきています。今回のイベントの参加者は都心のオフィスに勤めているOLが中心で、まさにメーカーがターゲットとしている層にアプローチできる絶好の機会です」

私がぼんやりしている間に、どうやらあらぬ方向に話しが進んでしまっていたようだ。

「工藤さん、お金を出す、ということは口も出してくると同じことです。今回の企画はスケジュールがほぼ固まっていますので、大幅に改訂するのは難しいかと思いますが」

「しかし」

やんわり却下したものの、工藤さんはあの手この手でなかなか説得を諦めない。

「予算は限られていますが、資金不足ということはない、と思っているので、計画を変更してまで協賛を募る必要性が全く感じられません」

工藤さんを真っ直ぐ見据え、目元を一切綻ばせることなく、口角だけをあげて笑う。

なんと言おうが絶対やらないからね。今更そんな面倒くさいこと。

私の断固たる意志を彼に伝える。
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