「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「イトコから貰った玲波の情報をそいつと一緒に学校中にばらまいて毎日もっとひどい言葉で玲波を傷つけてる奴が??」
えっ?コイツが......
私から居場所をまた奪ったヤツ...
周りの人たちは今起こっていることより、唯都が私のことを名前呼びしたことの方が気になっているらしい。
「お前のせいで!玲波はまた傷ついてる!
やっと開放させてあげられると思ったのに!」
唯都は今までにないぐらいの声で怒鳴った。
そして唯都は私の方に来て私の肩を抱いた。
「まだ俺の可愛い妹に手を出すなら俺も相手になるぜ。」
「えっ?」 「えっ?」 「えっ?」
「「「「「妹?????」」」」」
あーーやってしまった。
そう思ってからでは遅かった。
「ちょっと!!」
「なぁー玲波コイツ何発にしとく?」
こうなった唯都は誰にも止められないことを幼なじみの私は知っている。
だけど1人だけ例外がいる。
「玲」
「えっ?なんて?」
「だから零回だってーーー!!!!」
それが私だ。
私は珍しい自分の大声を短期間に2度も聞いてしまった。
そして唯都の手を引っ張り、「自分の場所」へと向かおうとした。
「ちょっ、玲波?」
「後輩君、後はよろしく頼みます。」
「えっ?あっ、はい。」
私と唯都はたくさんの視線を感じなから、その場を立ち去った。