君に触れたい……。
道路に面して建てられている白い家が、雪の住んでいた家なのだと言う。


「……あった……」


「ああ。あったな……」


二人で並んで白い家を見上げる。


西洋建築を思わせる、別荘のような家。


「……何か、思い出せそう……?」


「……うん」


雪は真っ直ぐに、家を見ていた。
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