スキ・泣き・恋
コンコン〜



「はーい…。」




ガラ〜




「安和君、勉強してるの?」





おじさん、まだ居たんだ…。







「…!」








「安和君は、俺が嫌いかい?」








「嫌いです…。」









そんなショボンってした顔しないでよ…!





「でも、探してくれたのは嬉しかった…。」





それだけは確かだったから…。






「安和君…。」






あの笑顔、反則だよ…。






「安和君は、俺とお母さんの事を岡下から聞いたんだってな…。」






「あっ、ハイ!
昔、付き合ってたって…!」






おばさん、話たんだな…。






「その通りだよ…!
まぁ、君の父親に取られたけどな…。」






取られたって…。






「今でもスキなんですか?
お母さんの事…?」






おじさん、本人に聞いてみたかった…。






「スキだよ…!
再婚したい位にな…!」






やっぱし…。







「再婚するんですか?
お母さんと…?」






「今はしない…。」






「なんですか?」






スキなら、再婚したらいいじゃない…。





「君のお母さんがな、安和君達が父親にべったりだったんだもん…。だから、すぐに再婚とかはしないって…。安和君の気持ちを考えたら出来ないみたい…!」







お母さん…。








「…。」





「勉強、頑張って…。」







ガラ〜






おじさんとお母さんが結婚したら、それは幸せになれるかも知れない…。







ガラ〜






「おじさん…!」




俺は玄関にいるおじさんを呼び止めた…。







「安和…。」






「安和君、どうしたの?」








俺、今のお父さんスキだよ…。






でも、お母さんを寂しい思いさせたくない…。






「おじさんがいいなら、お母さんを幸せにしてあげて…!お母さんを寂しい思いをさせてあげないで…。」






「安和…、あんた…!」




「いいんかい?
お母さんと幸せになっても…。」





ほんとは嫌だよ…。





「…うん。
お母さんを幸せにしてくれるんなら…。」





「安和、有難う…!」





抱きつきながら、泣くお母さん…。






お母さんの幸せが僕の幸せだから…!








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