こんにちは、頭蓋さん。
「よー桐島。あいつなんか変なこと言わなかったか?」
どうやらさっきまでウェイターがいたのは見えていたようだ。
眉を顰めた菓は私が首を振るのに安心した様子を見せ、向かいに座るとすぐメニューを広げた。
「最近講義が一緒になんねーな。寝てる桐島の写メ撮ってみたいのに」
「は?一生かぶらなくていい」
菓はパパッとなにを頼むか決めたようで、言っている間に私の元へメニューがやってくる。
クツクツ笑う彼。やはり人が何か言うと笑う奴だな。
「だいたい最初のあれは聴かなくていい講義だったの。全部寝てるわけじゃないし」
「えー」
「うざい。この話は終わり」
とりあえずこれ以上言っても私が苦しくなるだけだ。強引に締めさせた。ゆっくり心を鎮めるため水を一口。
菓は別段嫌な様子もなく、そのまま別の話題に移る。
「そうそう気になってたんだけどさー。結局デートはどうだったわけ?」
「……ッうわっは」
思いっきりむせた。水は零さなかったからよかったが、グラスの中に飲んだものが戻ってしまった。汚い。
そして私の女子とは思えないむせ方に目の前で爆笑している男。もとはお前のせいだぞおい。
「どうって……」
「上手くいった?あのあと頭蓋さん嫉妬でキスとかしまくったんじゃねーの?あっついねー!」
「……」
この勘違い男、誰か黙らせてほしい。いや自分でやればいいのか。
お馴染みの少しヒールのある靴で菓の足を徐々に痛めつけていく。ちらりと顔を見れば必死にすました顔を持続していた。