【B】きみのとなり

エピローグ

「おいっ、氷夢華まだ買うのかよ」



兄貴に寄ってみっちりと治療されたアタシは、
あの後、二週間以上ベッドに縛り付けられて、
ようやく昨日、兄貴のマンションに戻った。


あの日、事故ったアタシの相棒は入院中に、
兄貴が修理に出してくれているみたいで今はいない。


次に戻ってきたときは兄貴のマンションの
地下駐車場にとめることが出来るように手続きしてくれたらしい。


久しぶりに帰宅したマンションは兄貴の香りがして心地よかった。


だけどアタシの部屋を準備しといてやるって言ってた兄貴なのに、
殆ど何も出来てなくて今日は急遽、兄貴の休日を強引に奪い取ってショッピング。



兄貴のシルエイティを奪って、
兄貴を助手席に買いものへと引きづりまわしてる。


今は三か所目のお店。


「だって、兄貴アタシの部屋のもの買ってやるって言ったじゃん」

「Macだろ、ベッドだろ。
 鏡台にタンスに本棚、他に何が居るんだよ」

「まだまだあるじゃん。

 アタシの茶碗でしょ、マグカップでしょ。
 オーディオにソファーにお布団でしょ」


後、兄貴と色違いのお揃いの歯ブラシに、うがい用のコップ。

茶碗も、マグカップも……本当は夫婦茶碗みたいな奴だったら、
もっと嬉しいけど……それは何時かのタイミング。

「お前なー」

「さっ、行くよっ。
 兄貴……とっとと買い物終わらせないと日が暮れちゃうよ」

「はいはい」


渋がる兄貴を引きづりまわしながら、
アタシの退院の翌日はゆっくりと過ぎて行く。




アタシたち……外から見たら、
どんな関係に移るのかな?



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