【完】さらば憧れのブルー

「好き」



「へえ……そっかあ……」
 


迷いのないまっすぐな目で私を見つめる一紀に胸が高なる。
 


「優花は?」
 


「うん」
 


「うんだけじゃ分かんないなあ」
 


「分かるでしょ?」
 


「分からない。俺、鈍感だから」
 


「嘘だ!」
 


我慢できなくなった私は立ち上がった。

一紀がびっくりして体を元にもどした。

立ち上がったせいもあってか体温が急激に上がるのを感じる。
 


「優花?」
 


「……好き」
 


そう言った私の手を一紀がぎゅっと繋いで、私の隣に並ぶようにして立った。

そして、「雄太郎さんのことはいいの?」と呟いた。
 


「どうして?」
 


「どうしてって……雄太郎さんのこと好きだっただろ?」
 


「え!?私が?雄太郎さんは、友達だよ?」
 


「無理してない?」
 


「無理なんかしてないよ。どうしてそんなこと言うの?」
 


「……」
 


一紀は、私の顔を心配そうに見つめてきた。

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