はじまりはミステイク
「藤山、服可愛いね。そのワンポイントのクマさんいいよ」
「あぁ、これ兄貴に借りた。アイツこんなのばっか持ってて」
「ふふっ、お兄ちゃんと仲良いんだね」
「ベタベタし合う仲じゃないけどね」
それでも、仲が良いことは認めるんだ。
「それじゃ、行く?」
「うんっ」
最初の目的地は、ランチ。
「藤山、オムライス好きって言ってたよね?オススメのところがあるんだけどいいかな?そこのオムライス美味しいからどうかなと思って」
昨日のラインのやり取りで、ちょこっと藤山について情報収集したのだ。
「あまりのオススメでお願いします」
「はい、承りました」
オムライスが好きって聞いて、ちょこっと可愛いなコイツなんて思ってしまったのは内緒、ね。
「あ。あまり」
「ん?どうした?」
「雰囲気違うけど、髪巻いてる?」
き、気づいてくれた!?
「へへっ、デートだもん。ちょっとだけ頑張ってみた」
デートのこと考えすぎておでこ火傷したけど。