はじまりはミステイク
「終業式終わってからの2週間。平日の9時から15時までだからな」
「ほぼ1日潰れちゃうってことですか?」
「お前の将来を考えればまだいいもんだろ」
そ、そんなぁ。
「そんなに頭悪かったんだ……私って」
「反省するきっかけになってよかったよ。遅刻せずに来いよ」
私の夏休み、5分の2程度は予定が出来ました。
「今回のテスト、全体的に悪かったみたいだし、補習組多いみたいだね。赤点1つでも取ったらだけじゃなくて、赤点間近組も補習だなんてね」
終業式。欠伸をした一華ちゃんが小声で言う。ハンカチで汗を拭きながら、校長先生が夏休みについて話している最中だ。
「はぁ〜、バイトも視野に入れてたのに。超短期バイト探せるかな」
「もしもの時はあたしんとこのコンビニ来なよ。店長にお願いしてみるから」
「ありがとう〜。その時はお願いします」
「まずは勉強だけどね」
ううっ、頑張らねば……。
三角座りをしながら、足元に向けていた視線を1年の方へ目を向ける。