記憶の中で生きる君へ、この空に誓う



「怖い………そんなの、あたりまえじゃん…」


おばあちゃんに言い当てられた心。

この力を、好きになれる日なんて、きっと一生来ない。


俯きながら学校までの道のりを歩いていると後ろから誰かの肩が、ドンッと、私の肩にぶつかる。


ービリッ、ビリリッ


『人殺し』


「あっ……」


ぶつかった瞬間に聞こえた声。

ノイズの中に聞こえた、恐ろしい一言に、私は体が震えた。



「な……に、今の……」



よろけた私に、ぶつかった相手が振り返った。

赤茶色の髪をワックスで立てた同じ高校の制服の男の子。

だけど、酷く冷たい……暗い瞳をしている。




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