記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「目が合ったら呪われるって本当かぁ!?なら、お前も人殺しだなぁ!!」


ニタッと笑う男の子が、ゆっくりと私に近づいてくる。


やだ……やだっ、逃げなきゃっ!!


「っ!!」  


何故だか、とっさにそう思って、その場から全力で逃げ出す。


「はぁっ、はぁっ……っ」


そして、クラスへは向かわずに、迷わず屋上へと向かった。


人に、会いたくない、一人になりたかったからだ。


ーバンッ!!

屋上へと続く、重い扉を勢いよく開け放つ。


そして、その瞬間に広がる青空にようやく、私はホッとして立ち止まった。






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