記憶の中で生きる君へ、この空に誓う


「あの…さ、俺、君の名前を知りたいんだけど、いいか?」


「っ……それは……」


「俺と一緒に…探してくれるんだろう?」


そう言って、頬に触れていた手が離れ、今度は私の目の前に差し出される。


源先輩の自殺した理由、それはもちろん協力する。


それに、私も源先輩の事……知りたいって思った。


死んでしまってからそう思うなんて、変だとは思うけど。



「はい……」


「なら、教えてくれ。君はもう、俺の相棒だろ?」


「相棒………」


同じ目的に向かう私たちは、確かに相棒という言葉がピッタリだと思った。


もう、話してもいいよね…。

今、最上先輩からは、『優しい』感情しか感じない。

その温かい感情に、背中を押されるように、私は口を開く。









< 43 / 279 >

この作品をシェア

pagetop