クリア・スカイ
十三.卒業。

 厳しい寒さが続いている。天気予報は毎日雪だ。ビービー玉のような雪は、当たるととても痛そうだ。

 子供たちはマフラーに厚手のコート、手袋に長靴まで履いて通学する。僕はほたるのマフラーに守られているから、強い風に飛ばされる心配はなかった。

 最近のほたるは、平日は旅館の手伝いをして、土日は駆の家に遊びに行っている。今日も三人でゲームをして遊ぶ予定だったが、陽咲は顔を見せなかった。


「陽咲、今日は遊べないってさ。あいつ、最近付き合い悪いよな」

「受験勉強が忙しいのかな? もうすぐ入学試験だから」

「さあなー。まあ、推薦組の俺にその辛さは分からないけどな」


 駆の言う通り、最近陽咲は予定をキャンセルすることが多い。三年は部活を引退しているため三人で下校できるのに、陽咲は何かと理由をつけて断ってくる。

 そのため、駆とほたるは最近二人きりになることが多い。


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