クリア・スカイ
「ゆ……若女将、おはようございます」
昨日ネックレスの記憶を見た影響で、つい『優子さん』と言ってしまいそうになった。別にいけないことではないと思うけど。
「二人とも、おはよう。今日も柳様のところに行くの?」
「はい、そのつもりです! あ、あのこれ……浴衣と、もろもろのお礼ッス。ありがとうございました」
駆は若女将に紙袋を渡した後、深々と頭を下げていた。
「お礼なんて、気を遣わなくてもいいのに。お母様にもよろしくお伝えくださいね。あ、駆くんの服なのだけど……こちらで回収できなかったの。詳しくは、柳さんに聞いてもらえる?」
「分かりました! 情報ありがとうございました」