クリア・スカイ

――その日の夜、私は幼い頃の夢を見た。

――みんなは将来何になりたいの?

――わたしは、とりさんのようにお空を飛んでみたいなぁ。

――ぼくはぜったいにサッカー選手になるんだ。

――ほたるはね……かけるくんのお嫁さんになりたい!


 幼稚園のとき、誰かに将来の夢を聞かれた時の思い出だ。
 あの時の駆とほたるのキラキラと輝いた瞳は今でも忘れられない。
 あの頃の駆はいったいどこにいってしまったのだろう。


 ほたるは小さい頃から好きだった駆と両想いだったのに、どうしてあんなことをしたのだろう。


 幼いころからずっとそばにいたのに、今の私たちは知らないことだらけ。いつからか歯車が狂い始め、いつの間にか他人よりも遠い存在になってしまったのかもしれない。

 
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