クリア・スカイ
 
「よくそんなに細かいところに気が付くね」

「観察力はあるからな。他にもあるよ。最近はあのネックレスしていないとかね」

「……あれはつけられないよ」

「……だな」


 夜道がより一層暗く感じる。街灯が少ない道だからかもしれない。でも、この暗闇は私たちの心にずっしりと圧し掛かっているような気がする。

 二人の顔に笑顔はない。いろいろ話したいこと、聞きたいことは沢山あるはずなのに、なぜか言葉にすることが出来ない。


「……昔はもっと、何でもないことで笑っていたりしたのにな」

 駆のその一言はとてもか細くて、暗い夜空に吸い込まれていくような気がした。

 
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