クリア・スカイ
「私がこれを着けてもいいんですか? ほたるのお気に入りなのに」
「ええ。だからこそ、これをほたるだと思ってつけてくれたらいいなって思ったの」
女将はそう言って、私にネックレスを手渡した。ひんやりと冷たいセレスタイト。とってもシンプルなデザインのネックレス。ずっとほたるがつけていたのは私も知っている。
ただのアクセサリーなのに、なぜだかほたるの分身のように思えてきた。
「じゃあ、今度は私のネックレスを持っていきます。このネックレスの代わりに、ほたるの側においてあげてください」
「分かったわ。いつも陽咲ちゃんが傍にいるような気がするって、たぶんほたるも喜ぶわ」
「はい。……じゃあほたる、これ借りるね。いつか目が覚めたとき、また交換しよう」
私はほたるにそう語りかけ、彼女のネックレスを首に着けた。