恋愛結婚させてください!
店のドアを開けると
「いらっしゃいませ。あれ、コムギちゃん。」
と悠里ちゃんがメニューを持ったまま笑顔で近づいてくる。
私は周りを気にせず、
「悠里ちゃーん。」と顔を歪めて泣き声を出すと、
「コムギちゃん、大丈夫?」と悠里ちゃんは優しく言って、
奥の席に肩を抱いて連れて行ってヨシヨシって抱きしめてくれる。
涙がいくつも流れ落ちる。
遠くで「ありゃりゃ」と竜二さんの声がして、お兄ちゃんが顔を出す。
「コムギ、ヒトの妻に抱きつくな。」と呆れた声で笑っている。
「だってー」とヒクヒクしゃくりあげると、
「また、オトコに振られたのか。」とクスクス笑うので、
「笑い事じゃ、ないもん。」
とうええーん盛大に泣き声を出して悠里ちゃんに泣きついた。

「ふうん。」と私のすぐ後ろで知らない声がする。
いや、知ってる。
朝、病棟で聞いた。
「コムギ、オトコに振られたんだ。」とくすんと笑った声を出すのは
「トウマ君?」と驚いて顔を上げると、
ニヤニヤ笑ったトウマ君がいた。



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