恋愛結婚させてください!
お兄ちゃんと悠里ちゃんと竜二さんが料理や飲み物をを次々運んできて、
それぞれヨシヨシと頭を撫でてくれる。
(土曜の夜は店が混んでいるので、私の前にずっとはいられない。)
私は時折しゃくりあげながら、料理を黙々と口に入れる。

「やけ食い。」と前に座ったままのトウマ君が私の顔を覗く。
「いいでしょ。」と鼻をかんだり、涙を拭いたりしながら、
ゴクゴクカシスオレンジを飲む。
(私の飲むカシスオレンジはアルコールが薄くしてあるって知っている。)
「面白い。」と私の顔を見て、トウマ君はウイスキーを飲んでいる。
「どうせ、面白い顔ですよ。」と額にしわを寄せると、
「いや、顔は気に入った。目が大きいのや、唇が厚いのは好みだ。」
と私の顔を眺める。なに?
「背は伸びなかったみたいだし、細すぎるような気もする。
思い切り抱きしめるのに躊躇するかな。胸はまあ、…別にいいよ。」
と私の胸の辺りを見て、ため息をつく。
別にいいってなによ!
「別にいいってなんの評価ですか?!」と怒っても、
「まあ、身体の相性はこれから試せばいいだろ。」と独り言のように呟く。
「試しませんよ。絶対!」と言うと、
「コムギ、夫とSEXしないつもりか?」と私の顔を真面目に見るので、
私は口からカシスオレンジを吹き出す。
「コムギ、口の締まりが悪いのは減点だ。」
とトウマ君は表情を変えずにテーブルの上を拭く。
こ、このオトコ
セクハラか?
付き合いきれない。
とカシスオレンジのお代わりをゴクゴク飲んだ。


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