恋愛結婚させてください!
「なんだ、芦沢。知り合いか?」と部長が私と、トウマ君、いや、芦沢先生を見比べる。
「蒼井さんの家に良く遊びに行っていました。
蒼井さんは僕らにチョロチョロ付いてきて、
遊びや、勉強の邪魔ばかりしていました。」と部長を見る。
トウマ君はけっこう、失礼な奴に育ってる。
「じゃあ、蒼井先生も面識はあるってことだな。」と部長は微笑む。
蒼井先生って言うのは私の父。
稲村ヶ崎の駅前にある「あおい小児科」を開業する前は
この総合病院で、部長をしていたらしい。
(南沢部長はその時若造だったと。父はわらっていた。)
「はい。もちろん。僕が『あおい小児科』を継ぐ予定です。」と普通の顔で言った。

「?!」な、なんですと?
「そうなのか?いや、蒼井先生の息子さんは医師にならなかったと聞いてたが…」
と私たちの顔を驚いた顔で見る。
「ウソ!!」と私は大声が出てしまう。
「失礼なオンナだな。ウソじゃない。」と機嫌の悪い顔で私の顔を睨む。

「だ、だって、そんな話聞いてない。」と私が思わず、立ち上がると、
「医師になるのに、蒼井先生に学費を出してもらってる。」と私の顔をみて、
「タイガにコムギが小児科のナースになったって聞いてた。
ここにいるとは知らなかったが、まあ、気にするな。
ここでお互い、一人前になればいいいだけだ。
用意が出来たら、ふたりで『あおい小児科』を継げばいい。
コムギ頑張れよ。
俺にふさわしいパートナーになってくれ。」と真面目な顔で言った。
「それって、それって、ど、どういう」とつっかえながら言うと、
「蒼井先生に聞いてないのか?
俺はコムギの許婚(いいなずけ)だ。」と呆れた声で言った。

ウソ!!

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