恋愛結婚させてください!
「そうそう。」と私は話を変える口実を思いつく。
「トウマ君、ガラケーって今も持ってる?」と私が聞くと、怪訝な顔をする。
「なんで?」とトウマ君は少し不機嫌そうだ。
「藤堂さんがトウマ君のガラケーの写真を見ろって言ってた。」と言うと、
チッと嫌そうに顔をしかめる。
「余計なことを…」と言いながら、
スマホを取り出し、
「これでいいんじゃない」と私に手渡す。
「トウマ君、なんか隠してる。」と私がスマホをテーブルに置き、もう一度、手を出すと、
「ガラケーってどこに入れたかわからない。」とトウマ君は横を向く。
嫌がってる?
「見せて。」ともう一度トウマ君を見つめると、

「はーー。」と大きな溜息をついてトウマ君は立ち上がった。
なんだ、どこにあるのかわかってるんじゃない。
と思ってトウマ君を見ると、
テレビの前の鍵のかかる引き出しからガラケーを取り出した。
大事なモノ。って気がする。

私の掌に乗せる。
「コムギは絶対引く。」と機嫌の悪い顔をした。

なに?

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