恋愛結婚させてください!
夕飯を作っていると、トウマ君が出張から帰ってきた。
「おかえりなさい。」と玄関で迎えると、
「コムギ、ただいま。」とスーツケースを置いたまま私を抱き上げ、ソファーに連れて行く。
「と、トウマ君?」と私がトウマ君を見つめると、
「会いたかった。」と笑顔でくちづけして、ソファーに私を押し付け、固く抱きしめる。
私もトウマ君の匂いを1週間ぶりに吸い込む。
そういえば、4月に会ってから、こんなに離れていたのは初めてかも。
「トウマ君、元気だった?」とくちづけの合間に聞くと
「毎日、朝夕、電話しただろ。」と言いながらも、更に深くくちづけしてくる。
私が息を乱して、声を出すと、
「うーん、いやらしい声だ。
もう、ベットに運ばれたい?」と聞くので、
「ごッ、ご飯出来上がります。」と言うと、
「コムギのご飯も食べたい。かな。仕方ない。
先に飯にしよう。」と私の頬にキスをしてから、トウマ君は立ち上がった。


今日は仕事の後だったから簡単なご飯だ。
ナスとひき肉のカレーとポテトサラダ。
(ジャガイモはトウマ君が送ってくれたもの。)
後は作り置いてあった野菜のピクルスだ。
トウマ君は私が作るご飯が飽きなくて、一番美味い。って言ってくれる。
まあ、お世辞でも嬉しい。

スーツケースの中身を片付け、シャワーを浴びたトウマ君は
ビールを美味しそうに飲んでから食事に取り掛かった。
くつろいだ様子が、嬉しい。

外は北風が吹いているけど、
この部屋は暖かいって思う。


好きな人と暖かい部屋に一緒にいて、微笑みあう。
私は幸せだ。





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