恋愛結婚させてください!
「結婚…するの?
婚約じゃあなくて?」
とびっくりして、トウマ君の顔を見ると、
「婚約指輪って仕事のとき、出来ないだろ。
コムギが売約済みって分かるように、マリッジリングしておいて。」と言い、
「それに、俺はモテるから指輪してないと、誘惑されるぞ。」と私の顔を見る。
そ、それはすごく困る。
「どうする?コムギ。」とトウマ君は楽しそうに笑った。

「…その指輪、トウマ君に付けたい。」と赤くなった顔でトウマ君を見ると、
「コムギもつけてね。」と笑い、箱から指輪を取り出して、私の左の薬指につける。
私も、指輪を箱から取り出し、トウマ君の指につける。

「コムギ、勝手に外すなよ。」とトウマ君は大きな笑顔だ。
「トウマ君も外しちゃダメです。」と言うと、深くくちづけして、
「了解。奥さん。」とトウマ君は私の耳元で囁いた。

涙がまた、流れる。

「ムギ、愛してる。
毎日電話する。
毎日ムギのことを思うよ。
休みには必ず戻る。
だから、頑張ろう。
きっと、2年はあっという間だ。」
とトウマ君は静かな声で言う。
私は泣きながら、何度もうなずいた。


「寂しいよ。トウマ君。」と私が声を出すと、
「俺も、寂しい。毎日コムギの側にいたい。」
とトウマ君は苦しいくらいに抱きしめ、何度も唇を重ねた。

本当はわかってる。
離れても、心は一緒にいる。
きっと、私達は大丈夫。
結婚もしちゃうみたいだし。

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