恋愛結婚させてください!
その日のうちに婚姻届を区役所に出して、私達は本当に夫婦になった。
芦沢 麦。
新しい名前だ。
まあ、あいうえお順だと、また、1番目か2番目かな。

翌日、院長と、看護部に挨拶に行き、
病棟では急な私達の結婚に、大騒ぎになったけど、
トウマ君の転勤の話が南沢部長から出ると、
(やっぱり、優秀な医師に声がかけられていたらしい)
納得されたり、私が一緒に行かないってことに、
再び驚かれたみたいだ。

トウマ君は私の両親と自分の両親に(今ではお母さんの再婚相手がいる。大学時代から離れて暮らしてるけれど。)
函館から戻ったら、披露宴をすると話し、了解を得た。
(お父さんは早く籍を入れるように言っていたのに、
こんなに早く籍を入れたので、結構驚いていた。)

そして、トウマ君が住んでいた部屋に私が移り住むことにしたけど、
トウマ君が部屋を借りたまま、家賃を払ってくれるらしい。
『俺の部屋だし。』と、トウマ君は笑った。
私のお給料では、家賃を払ったら生活できなくなるし…。


11月の終わりに、私は自分のアパートを解約し、トウマ君の部屋に移り、
トウマ君が函館に行くまでの4ヶ月間の短い新婚生活が始まった。

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