デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
夢中で、愛する女性のあちこちを愛撫する。

今までの経験が話にならないくらいに頭の中が熱くなって、心臓がいっぱいの幸福感と愛しさで早鐘をうった。

桜はというと、頭や心では嫌でたまらず、逃げたくて仕方がないのに、体が反応してしまう。
情けなくて悲しくて、とうとう泣き出した。

「やだ…シュリさん……こわいの……やめて……」

身を震わせながら、淡く染まった顔を小さく振って、泣き顔で彼を見た。

その様子に、ゾクッと体の奥の何かが煽られる。

「……っは、あ……可愛い……可愛い…………桜……っ」

やめるどころか、ますます狂ったようにその指を桜の肌に埋めた。

少ししてカチン、と小さな音がして、シュリの履いているパンツの留金が外された。

「や……」

顔色を変える。いくら桜が経験がないといっても、その行動がどういうことかくらいは分かった。

「いやっ!た……助けて、誰か!………王様!」

思わずいるはずのない、好きな人の影にすがった。

と、乱暴に体を反転させられ、うつ伏せにされた。

「無駄だって言ってんのが、わかんねえのかよ」

怒りを孕んだ声で、素肌のままの桜の腰をぐい、と持ち上げる。

「優しくしてやろうと思ったのに」

うつ伏せのままの震える背中を、熱い手がなぞる。

「……お前が悪いんだからな」
< 1,003 / 1,338 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop