デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「どうしたんですか?」

不思議そうに聞く桜にふと笑って、ぎゅっとその腕に力を込める。

「いや……。その、体は……辛くないか?」

なおも優しくなでながら聞いた。

「あっ……は、はい」

ポッと赤くなって、小さくうなずいた。

「なら……良いのだが。優しく出来なくて…すまなかったな」

桜は赤い顔のまま、ふるふると頭を振った。

「ううん……あの、その……う、嬉しかった、です」

恥ずかしそうに微笑んで、桜も王のしなやかに引き締まった腰に手をおいた。

「………っ」

ザワ、とその背中が震えた。

「あ、あの……王様は?」

「ん?」

「喜んで、くれました?」

おずおずと聞くその表情に我慢できずに、キスをする。

「んん……」

そっと、桜も応じた。

「幸せで、嬉しすぎて、……おかしくなりそうだ」

切なく笑うその顔に、どきっと胸が高鳴った。

そして、そろそろとその首に白い腕を回す。

「王様……王様、大好き」

ニコッと変わらぬ清廉な笑顔で見つめられ、ついに我慢が弾けて再び桜を組み敷く。

「すまない、桜……もっと、ずっと、お前が欲しくてたまらない」

首まで真っ赤になりながらも小さくうなずく愛しい少女に、深いキスをする。



ああ、手に入れた。

届かないと、叶わないと思っていた願いを。

まるで星のような、この娘を。
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