デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「なーおい、なんとか言え…よ!」

いきなり後ろからガツッ、と背中を殴られた。

「いた…っ!」

思わず声をあげると、右側に立つ男子に脚を蹴られる。


「うっそぉ?痛いの桜ちゃん?肉があるから痛くないでしょお~~?」

「ぎゃははっ、お前ひーでーよ、女の子に~~」

「ええ?俺女の子は殴らねーよ?きったねえブタなら話は別だけど~~」

「そーそ、動物はしっかりしつけないと~~」

残酷な言葉と暴力に、桜は次第に川のほうへと追い詰められていった。

だが、必死に身を縮めて頭をかばうのが精いっぱいな桜も、久しぶりの暴力の快感に酔っている3人も、それに気づくことなく―――

いきなりズルッ、と桜の左足が大きくすべった。

「あ!」

いつのまにか、舗装もされていない土手に足を踏み入れていたらしい。

一昨日の大雨で、川の水かさが増えただけでなく、土手もかなりぬかるんでしまっていた。

ぐらり、と宙で桜の体が反転する。

曇り空が一瞬彼女の目に映ったかと思うと――


「きゃ……!」


ドサッ、と土手の中ほどに投げだされた。


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