デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
そんな話をしている間に、王都の大門が見えてきた。

衛兵が大勢、その警護に当たっている。

「シュリさん、そういえば、ああやって門の警護をしてる人たちも王都武官なんですか?」

桜が聞くと、いや、とシュリが否定した。

「確かにあいつらを現場で統括する長は王都武官だが、実際働いている士卒は違う。一般の兵士だ」

「へえ……」

武官はなかなかのエリート集団なのだろう。なるほど女性が群がるわけだ。

(まして、シュリさんみたいに見た目がよかったら、女の人はほっとかないよね)

彼自身は一度も女性に言い寄られた事がないと言っていたが。

「気づいてないだけだな、きっと」

自分の鈍さを棚に上げて、一人で納得した。

「?何がだよ」

その声に、シュリが不思議そうに聞く。

「いえ、シュリさんって、女の人から鈍いって言われませんか?」

「は?」

「すぐ近くにいる女の人が、シュリさんのこと好きなのに気づいてあげてなかったってこと、あったんじゃないかと思って」

自分を振り仰いで、黒い瞳でじっと見つめる桜。
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