八月のアークトゥルス。
僕は時々

そんな、あの頃の自分をおもいだすんだ。


純粋で無邪気で

夢しか見ていなかった
あの頃の自分を。



あの頃の自分にもう一度会えるなら


僕は

僕を
救ってあげたい。







夢なんて存在していなかったんだ


夢は叶うことなんてなかったんだ

と。









教えてあげたい。




あんな夢なんて持たなければ

絶望に向き合う辛さも

生きることの虚しさも知らずに済んだんだと。














そのくらい今までの僕の人生は

何もなくて


つまらなかったんだよ。





無論

君に出会うまではね。





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