MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「そんなふうに考えたことはなかったのですが。……自分の答えとしては、どちらも、なんでしょうね」

 どちらも心の底では信じていない。
 ……愛も、女も。

 どちらも信じてのめり込めば、裏切られるではないか。
 痛い思いをしたくないなら最初から信じないこと。それが俺の、自己防衛本能だ。

「悪いけど、私は愛を信じてるわ」

 親に屈服し、俺との結婚話を進めようという令嬢のセリフとは思えない。

 愛を信じる? 初対面の俺に対して、愛などないのに?
 それともこの出会いを機に、俺と愛を育もうとでも?

「私ね、ほかに愛してる人がいるの。さすがにここまではパパに聞いてないでしょう?」

 それには多少驚きながらもコクリとうなずいた。その情報は初耳だ。
 彼女はなんでもないことのようにカミングアウトをしてきた。

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