MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 クスリとでも笑ってくれていないだろうか。
 喋りながらも男性をうかがい見ると、見事にその希望は打ち砕かれた。やはり無表情なままだ。

 接客の場でお客様との会話は、互いに笑顔でいないと……という気持ちは多分にある。そのほうが場の空気も柔らかくなるから。
 だけど今は私だけがヘラヘラと笑っていて、どうにもバランスがおかしい。

「へぇ、こんなに元気な雨女もいるんだ」

 この空気をどうしたものかと考えていると、ポツリとそんな言葉が返ってきた。
 私は言われた意味がわからなくて、ポカンとした間抜けな顔をしてしまう。

「……俺もね、実はそうなんだ。“雨男“でね」

 それを聞いた瞬間、私は反射的に満面の笑みを浮かべた。
 同じ種類の人と出逢えるなんて、こんな奇遇なことはない。

「本当ですか?!」

「ああ」

「私なんて、けっこう筋金入りですよ!」

「俺も負けないと思うけど」

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