MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「傘、どういうものがよろしいですか? いろいろ取り揃えてありますけど」

 自分が雨に好かれていることもあって、私は店に配属されると共に雨具売り場の担当を希望した。
 傘、レインコート、雨靴……
 こうなればもう、雨具のスペシャリストになってやろう、と。

 店長に相談しながらだけれど、今では私が良いと思った商品を少しずつ店に置かせてもらっている。
 それをこうしてお客様に披露できることが、仕事のやりがいになっている。

「さほど変わらないと思っていたけど。男物の傘なんてどれもやぼったいだろう、って」

 ごく一般的な意見を言う目の前の男性に、私はほほえみながらゆっくりとうなずいた。

「そう思われがちですが、色のバリエーションはもちろん、男性用でも洒落た柄のものもあります。あ、これなんて番傘ですし!」

 ちょうど目の前にあった番傘を広げてみる。
 昔の日本の和傘というのは、広げて見るだけで本当に綺麗だ。

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