MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
 だから私とは住む世界が違う人だと……
 ありとあらゆる感覚が、きっと自分とは違うのだろうと勝手に線を引いていた。

「悪いけど俺は生まれも育ちも超庶民でね。そのへんのお坊ちゃんと違って一般的な感覚はズレてないと思う」

 先ほど奥さんと結婚に至った経緯を話してくれたときに、高二で実のお父さんを亡くしたことも聞いた。
 なので私が思っていたのと間逆だったのだ。

 なにひとつ苦労することなく生きてきた人ではなくて。
 今までずっと、ほかの人よりも何倍も苦労してきた人だ。

「副社長じゃなくなり、常に無感情で、バツイチ。そんな俺は魅力がないかもしれないが……」

 彼が私を見据えて真剣な瞳を向ける。

「俺のそばにいてくれないか?」

 これは求愛なのだろうと、一拍遅れて脳がそう判断した。

 その判断の遅さから一瞬変な間があいて、彼の表情が少し曇る。

「……ダメか。俺みたいな男は君にふさわしくないかな」

「な、なに言ってるんですか!!」

 思わず声が大きくなりながらも、彼の言葉を全力で否定する。

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