MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「お前はずっと恋人がいないだろ? 寂しくないのかよ。そのままだとカラカラに枯れちまうぞ?」

 当たっているし、心配してくれているのかもしれないけれど、大きなお世話だ。

「まさか白馬に乗った王子様がそのうち現れるとか、非現実的なことを夢見てるんじゃないだろうな」

「さすがに思ってませんよ」

 厳密に言えば、そんなことは人生において二度は起こらないと思っている。

 ずいぶん昔だが、私の前に一度現れたのだ。
 あの人が私にとって、白馬の王子様だったのと思う。
 その男性の名前も素性も知らないまま二度と会えてはいないし、もう十年も前のことだから、今ではどんな顔だったのかすら忘れそうな出来事になりつつあるのだけれど。

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