MIRACLE 雨の日の陽だまり~副社長との運命の再会~
「あはは、萌奈ちゃん、大丈夫。窪田さんはいい人ですもんね~?」

「いいえ、今のはなんだかいじめてるように聞こえました~!」

 なんとかうまくなだめようとしたものの、萌奈ちゃんが子供みたいに再び挑発をする。
 彼女は“冗談”のつもりなのだろう。

「うるさいな、双子か。その喋り方、いい加減やめろよ。ふたりともおんなじように語尾を伸ばすから、俺の耳がおかしくなる」

 ……いや、間違っても私と萌奈ちゃんは双子ではない。血も繋がっていない。
 だけどたまに窪田さんは、わかっていて私たちをそう呼ぶ。
 たしかに萌奈ちゃんの喋り方につられてしまうことはあるけれど。

「ヤダ~、窪田さんこわぁ~い!」

 両手を頬に当てて、萌奈ちゃんがコミカルに怖がってみせる。
 それにならって私も萌奈ちゃんと同じポーズをして「こわぁ~い」と言うと、窪田さんがわざとらしくあきれて溜め息を吐いた。

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