君は僕の光
「…伝わった。すごい」


…?


どういうことだろう。



ポカンとしていると、男の人は言葉を続けた。



「君、近所の子だよね?」

「あ、はい。最近越してきたばかりですけど…」

「あ、そうなんだ。じゃあ、この公園の名前知ってる?」

「えっと…ひまわり公園…でしたっけ?」

「そう。この公園の奥の方にいくとね、夏は一面に向日葵が咲く場所があるんだ。今の曲は、その向日葵畑を想像して作ったんだ」



え?

本当に、向日葵をイメージして作った曲だったんだ…!


聴く人にイメージがちゃんと伝わるなんて、すごい…!



「今はちょうど夏だからね。向日葵畑キレイだと思うよ」



今の曲の元になった向日葵畑。


見てみたい…!



「その向日葵畑、見てみたいなあ…」


思わずつぶやいた。



「…そうだ、今日はもう暗いから、明日の昼一緒に見に行かない?」

「え、いいんですか?」

「うん、俺も行きたいし」


心が弾む。


「明日の14時くらいにまたここに来れる?」

「分かりました!」



私は嬉しくて、立ち上がった。


その瞬間ー…。



「…あっ!?」



帽子が頭から落ちた。



いきなりだったから、顔を隠すのもできなかった。



どうしよ、この人に顔見られた…!
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