君は僕の光
慌てて帽子を拾って、深くかぶり直す。


チラッと男の人の方を見ると…



…あれ?


特に反応なし。



「大丈夫?帽子」

「あ、大丈夫です!」

「そっか。じゃあそろそろ帰ろっか」



男の人はギターをケースにしまい、何事もなかったかのように立ち上がった。



日が落ちてるから、顔が見えなかったとか?


いや、日は落ちてるけど、夏だからまだ明るい。


じゃあ、見えてるけど気づかないふりしてくれたとか?



「じゃあね」



公園の入り口で、男の人と別れた。


帰り道、歩きながらふと考える。



あれ、14時って、外に人がいっぱいいる時間じゃ…!?


どうしよう、向日葵畑が見たくてあんな約束しちゃったけど、とても外に出られないよ…!
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