君は僕の光
「でも夏休みって長いようで短くてあっという間だなー。あと10日もすれば学校だよ」


蛍は困ったように笑った。


…そっか。


普通の高校生は、8月が終わると2学期が始まってまた学校に通うんだ。


あんなに嫌だと思っていた高校。


でも、なんだか気になるというか考える時間が増えた。



「ひかりも一緒に通おうよ、日向高校」


蛍の唐突な提案に、私は思わず顔を上げる。


「わ、私は…」

「楽しいよ?前の学校では嫌な目に合ったかもしれないけど、日向高校はみんな優しいし、友達もたくさんできると思うよ」



…なんとなく、察した。


私は、普通の高校生に憧れてるのかもしれない。



通信でも勉強はできるけど、家から出ないからもちろん友達はできないし、行事もなければ寄り道もない。


そんなことできる普通の高校生が、うらやましいんだ。



「でも、きっと私の顔見たらみんな引くよ」

「そんなことない!万が一あっても俺が許さない」


蛍は優しく微笑む。



ドキッ!


なんだろ、最近蛍の笑顔を見ると、胸がおかしい。


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