愛されたい、だけなのに




ファミレスから30分後ー…



「旅行?」

学校に到着し、職員室にいた柳先生を連れだし中庭へやってきた。


「うん!旅行、私たちと行ってくれるよね?」

「私たちって…」

「!」

柳先生と目が合った。


「圭吾と、私とマナ!他の女子はいらない」

蘭が指をさしながら言った。


え!?私も!?


「あー…それは却下だな」

「え!?なんで!!!??去年は担任した子達と行ったじゃん!」

「あれは、生徒というより…保護者の皆様との親睦会だったような…」

柳先生って、生徒だけでなくて皆のお母さん達からもモテるんだ。

「じゃあ、私のお母さんも…」

「それは、やめてくれ。神経すり減る」

「じゃあ、何だったらOKしてくれるの!?夏休みに思い出作りたい!!!圭吾と!!」

「誤解されるような言い方はやめてくれ。んー…」




悩んでいる先生に声を掛けてきたのはー…



「圭吾!更衣室の鍵だけど…」






蘭の救世主、榊原だった。




「あ、じゃあさ!榊原が一緒ならいいでしょ!??2対2で」


「?」

急に話に話題が出て、意味がわからないという顔をしている榊原。




「あー…うん」


「やったー!!!じゃあ、圭吾の休みわかったらメールしてね!ホテルの予約とかは私たちに任せて」

「ホテルって泊まりで行くのか!?」

「当たり前でしょ!じゃ、圭吾またね。マナ、行こう」

「う…うん」





何だか全員が、蘭の押しに負けたみたいな感じー…



「圭吾、旅行って何の話?」

「あー、悪い。行きたくないなら、今からでも…」

「櫻井も行くの?」

「あ…あぁ」

「じゃあ、行くよ」

「…」

「何だよ、今度は真剣だぜ?ちゃんと、俺は櫻井のことー…」







柳先生と榊原がそんな話をしている頃、マナと蘭はさっきのファミレスに寄り2人で旅行の計画を立てていた。




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