愛されたい、だけなのに



どうして私は、上手く言えないんだろう?



どうして私は、心配ばかりかけてしまうんだろう?



どうして私はー…












「そういえば、久しぶりだよな。こんなゆっくり話すの」

「!」


俯いていた顔を上げると、柳先生は窓の外を見て立っていた。


「学校は他の生徒もいて、なかなか話すタイミングがないから。一緒に住んでいた時の方が良かったな」

"良かった"

どういう意味の"良かった"なのか、わからない。


柳先生は背を向けて喋っているから、表情からは読み取れない。




「もう遅いから、家まで送る。帰る準備できたら、駐車場に来て」


そう言うと、柳先生は保健室から出て行った。










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