命の灯が消える、その時まで
第6章



*・*・*


『夕凪ちゃんが、夕凪ちゃんが、目を覚ましたの!』

『え、本当ですか!?』

『本当よ! 早く来てちょうだい!』


高瀬さんに急かされて私たちは病室まで走った。


今日は廊下を走っても、高瀬さんが怒ることはなかった。


むしろ早く早くと急かしている。



できる限り全力で走って、巳影くんが乱暴に開けた病室の扉の向こうでは、夕凪ちゃんと日向くんが抱き合っていた。



< 214 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop