命の灯が消える、その時まで



もしかして濱時は、何かを抱えていたんじゃないか?


それを朝河とは共有できた。

だけど、俺や他のクラスメイトとはそうはならなかった。

だからずっと1人だったんじゃないのか?



それを俺たちは誰1人気にすることなく。

ただあいつがクラスの輪に入ってこないのは、あいつがネクラなせいだって決めつけて。

クラスの輪に導こうとすら、しなかった。



……俺、何やってたんだろ。


ひとりぼっちの寂しさとか、辛さとか、全部知ってたはずなのに。


俺がもう一度そっちに行きたくないからって、あいつのこと、気にも留めたことなかった。



俺は顔を上げて、もう一度立ち上がった。


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