結婚も2度目だからこそ!
好き……って。

その言葉、昨日の夜言ったじゃない。


って言おうとしたけれど、そう言えばあの時、途中で唇を塞がれて言えてなかったことに気付く。


……ということは。

先輩も、私と同じ気持ちだった?



「す、……好き。いつの間にか、好きになってた」


心臓が破裂しそうなくらい脈打つ中、私は言葉を絞り出すように答えた。
先輩はその言葉を受けて、安心したように破顔する。


「……マジかぁ~。ああ~良かった……。ずっと不安だったんだ。半ば強引につき合ったから、本当は嫌々なんじゃないかって。昨日俺を受け入れてくれたのも、付き合っているから渋々なのかと、そう思って」

「ちょ、ちょっと!私だって好きでもない男の人となんか出来ないよ!!そんなに軽い女じゃない!!」

「ああ!ゴメン!違う違う!!京香をそんな風に思ってないよ!……いや、でも良かった。同じ気持ちだったんだな。すげぇ安心した」

そう言って先輩はまた私を腕の中に拘束する。
先輩は私の耳元に唇を寄せて、話を続けた。


「俺も京香のことが好きだよ。最初は同情で一緒にいたけれど、いつの間にか好きになってた。いつの間にか、俺がこの手で京香を幸せにしてやろうって、そう思うようになってた。だから、京香に付き合おうって言ったんだ」

「じゃあ、あの時からもうすでに私のこと……?」

「そうだよ。じゃなきゃ言わない。俺は好きでもない相手と付き合える器用さなんて、持ち合わせていないからね」


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