なくした時間にいてくれた
その代わりに自分のスマホを解除して、ベッドに寝転がる。

いくつかメッセージが届いているけど、読むことも返すことも出来ない。事故にあったことを知って心配するメッセージもあって、大丈夫だと伝えたいけど、目覚めない私が返したら不審に思われてしまう。

それでもスマホがないと不便だ。

自分のスマホを持っていこう。そこに新しく登録してもらおう。事故で壊れて消えたと言えばなんとかなるかもしれない。

しかし、お姉ちゃんの友だちは誰なんだろう?

お姉ちゃんから名前を聞いたことがないことに今さらながら気付くけど、学校に行けば分かるだろうと気にとめなかった。



翌日の朝。

なんとかお姉ちゃんの下駄箱を見つけて、無事教室にも辿り着く。

おそるおそる後ろの開いているドアから中をそっと覗いてから足を踏み入れた。

席がどこかは分からないけど、昨日事故にあったことを連絡していたからきっと友だちが近寄ってくれるだろうから、その時きにおどけた感じで聞いてみようかなと思っていた。
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