なくした時間にいてくれた
借りた覚えのない本がカバンに入っていたから返却した。いつも座っている席に座る前に数センチ空いていた窓を閉めた。
窓から見える校庭には誰もいない。
「車には気を付けてね」と母から渡されたお弁当箱の蓋を開ける。
卵焼きを食べる。私の好きな甘い味だ。花実は甘くない卵焼きが好きだった、だから、母は二つの弁当を作るときは二つの味の卵焼きを作っていた。
母は一つの味しか作らなくなるのかな。
「松本さん、ここいい?」
下を向いて黙々と食べていたから人が来ていたのに気付かなかった。ハッと顔をあげると岡くんだったから、首を縦に振る。
岡くんは周りを気にしながら、私の前に座った。図書室には私たちの他に一年生が数人いるだけだった。
話をしに来てくれたのだろう。
「元に戻ったんだ。久しぶりだね」
「花実じゃないって、分かるの?」
窓から見える校庭には誰もいない。
「車には気を付けてね」と母から渡されたお弁当箱の蓋を開ける。
卵焼きを食べる。私の好きな甘い味だ。花実は甘くない卵焼きが好きだった、だから、母は二つの弁当を作るときは二つの味の卵焼きを作っていた。
母は一つの味しか作らなくなるのかな。
「松本さん、ここいい?」
下を向いて黙々と食べていたから人が来ていたのに気付かなかった。ハッと顔をあげると岡くんだったから、首を縦に振る。
岡くんは周りを気にしながら、私の前に座った。図書室には私たちの他に一年生が数人いるだけだった。
話をしに来てくれたのだろう。
「元に戻ったんだ。久しぶりだね」
「花実じゃないって、分かるの?」