遠回りして気付いた想い
許嫁・・・亜耶side
「あやー」

バン!!

大きな声と共に部屋のドアが、勢いよく開く。

何時もの事ながら、よく壊れないなと感心してしまう。

そして、背後から抱き付かれる私。

身動きが出来ないながらも、身体を捩ってみる。

「ちょっと、何するんですか?」

強い口調で言ってみる。

「亜耶。遊ぼう」

はぁーーー。

盛大な溜め息を一つ溢す。

何で、私が!!

「亜耶ぐらいの子は、沢山遊ばなきゃね」

って、私、あなたから見て幾つなんでしょうか?

「だから…」

「遥さん。私、今年受験生なんです。それに明日から、期末考査なので、邪魔しないでください」

「エッ…。受験なんて、しなくて良いじゃん。卒業と同時に俺の所に来れば」

「だから、何でそうなるんですか!」

声を荒げる。

「だって、亜耶は俺のフィア…」

私は、その言葉を言われる前に遥さんの顎に向かって、拳を突き上げた。

キレイに決まって、遥さんが痛そうに顎を両手で押さえる。

この歳で、婚約者が居るって知られたくない。
< 1 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop