遠回りして気付いた想い
待ち合わせの駅に着く。

まだ、誰も来ていない。

ふーっ。

息を吐いた。

「おっ、悠磨。相変わらず早いな」

順一が、声を掛けてきた。

「まぁな…」

亜耶が何時来てもいいように、早めに来る事にしてるからな(少しでも、二人っきりで居たいからとは、流石に口にできないが…)。

順一と話している内にボチボチと集まり始めたが、亜耶の姿がまだ無い。

何かあったのだろうか?

だったら、連絡くらい入れてくる筈。

「亜耶ちゃんが、遅刻なんて珍しくないか?」

そう、今まで何度も待ち合わせた事あるが、他の人よりも早く来て待ってるのが、亜耶なのだが…。

まさか、事故にでもあったんじゃ…。

頭の中で、最悪なことが浮かぶ。

その時だった。

「おーい、亜耶。遅いよ」

と誰かが声をあげた。

「ごめん、ごめん。出掛けにアクシデントがあって…」

亜耶が、申し訳なさそうな顔をして言う。

亜耶の顔を見て、ホッとしていたオレだったが、それも一時の事だった。

「亜耶の後ろの人誰?」

水口が、亜耶の後ろに目を向けていた。

オレも言われた方に目をやった。



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