遠回りして気付いた想い
「亜耶?何してるんだ」

時間も時間だ。

それに、あの事もあるから、早く帰って欲しいと思うのは、いた仕方無い。

「何って、これから皆とパーティー…」

亜耶が振り向いて、そう答える。

「パーティー?」

亜耶が、不味いって顔をする。

パーティーって…。

俺、そんな報告受けてない。雅斗からも…。

隠す必要あるのか?

俺が、悶々と考えてると。

「大丈夫。終わったら、直ぐに帰るから…」

亜耶は、それだけ言って友達の所へ戻っていった。

ちょっと待て。

終わったらすぐ帰るって…。無理だろうが…。

絶対、帰れない状態になるんだ。

あぁー、もう…。

亜耶は、俺の事を見向きもせず、どんどん歩いて行く。

その代わりっていっちゃあなんだが、亜耶の隣に居る女の子がこっちを伺うように見ていた。

それより、パーティーの事だ。

何で、言ってくれなかったんだ?

言ったら、止められるとでも思ったのか?

同世代の友達との交流も大事だと思ってるから、前もって言ってくれれば認めるし、連絡さえくれれば迎えにも行くんだよ。

何も知らないのは、辛くて悔しいんだ。

除け者にされたみたいで。

亜耶は、俺がフィアンセでは、恥ずかしいのか?

俺には、亜耶だけなんだよ。

早く気付けよ!

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