遠回りして気付いた想い
私は、それを身に付けて、部屋を出た。


「おはよう、亜耶」

廊下に出たところで、お兄ちゃんと鉢合わせた。

「お兄ちゃん、おはよう」

挨拶を返せば、お兄ちゃんが。

「それ…」

って、私がしている、チョーカーに指を指す。

「これが、どうかしたの?」

私は、チョーカーを触ってそう聞く。

「よかったな、亜耶」

って、ニコニコしながら、意味ありげに言うお兄ちゃん。

えっ…何が?

「それ、遥からだろ」

お兄ちゃんが、意味深な言葉を掛けてきた。

遥さんから?

私は、訳もわからず、小首を傾げて見せる。

「違うのか?」

今度は、お兄ちゃんが首を傾げてる。

「わかんないの。だって、起きたら、机の上に見た事の無い包装紙が置いてあったから…。私のじゃないかもしれない(こんなにも大人っぽいもの、私にはまだ早い気もするんだ)」

その代わり、私が買った時に包装された物が、一つだけ無くなってたけど…。

「それなら、間違いなく遥からだな」

お兄ちゃんに断言されたけど、私は貰った覚えはない。

お兄ちゃん、何か知ってるんだろうか?

そう思いながら、お兄ちゃんを見た。
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