遠回りして気付いた想い
オレの思い・・・悠磨side
亜耶が帰った後、場がしらけてしまいお開きに。


「義君。送っててくれるよね」

「もちろんだよ、姫。じゃあな、お先に」

帰る準備を終えると義之と水口が部屋を出て行く。
義之は、ここぞとばかりに肩を抱いてるし…。

イチャつきやがって。

「じゃあ、悠磨くん。送ってて…」

「ルウ。なんで、そこで悠磨が出てくるんだよ。そこは、俺だろ」

斎藤が準備をし終わりオレに声をかけようとして、順一が遮って言う。

「だって、順君に迷惑だと思って…」

斎藤が、顔を伏せる。

「迷惑なわけないじゃん。自分の彼女を友達に送らせるなんて、するわけないじゃん」

順一がそう言えば、斎藤が笑顔になっていく。

そんな二人を横目で見ながら、オレは自分のコートを羽織って玄関に行く。

「邪魔したな。片付けてやれなくて悪いな」

オレは、そう一言言う。

「いいって。オレが後で片付けるから、気にするな」

順一が、気にするなって顔をする。

「…んじゃ、お休み」

俺はそう言って、玄関を出た。
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